2010年3月11日静岡県森林組合連合会の幹部研修で講演

 2010年3月11日静岡県森林組合連合会の幹部研修会で1時間ほど掛川市大日本報徳社の大講堂にてお話をさせていただいた。明治時代に建てられた木造の講堂で、二宮尊徳さんの報徳精神の総本山のような場所だ。

 私が平成14年から19年まで社会福祉法人天心会の理事長をしていた頃、全国2例目、静岡県初の木造の特別養護老DSCF0112.jpgのサムネール画像人ホーム竜爪園木造棟を建設した時の話である。当時、特別養護老人ホームの設置及び運営に関する基準をクリアーしながら、日本で事例のない木造の特養にチャレンジした。

 さらに、1年目、その事業申請が「木造の事例がないことと、木造は不確定要素が多い」という理由で時期尚早のような感じで不採択となった。

 翌年、静岡大学の木質構造学の安村助教授に講師を依頼し、「大規模建築物の木造化を考える」シンポジウムを開催し、木材業界を巻き込んだ市民運動的な流れで申請をあげて、2年目は採択になった。

DSCF0151.jpg その翌年の平成17年3月に木造平屋建ての特養が静岡市葵区長尾89-1に完成したが、1年遅れでその前年に熊本県人吉市「桜の里」という日本初の木造特養が完成し2例目となった。

 完成後、静岡大学静岡県工業試験センター、県木連、県森連、静岡木協と天心会にて「高齢者居住施設研究会」を発足し、木造の特養の中の住環境、建設途中のCO2排出と固定の収支について研究がスタートした。

 その後、静岡市の文化観光施設「白樺荘」を木造で建設するに当たり、竜爪園建設の時に測定した方式で、高齢者居住施設研究会メンバーがCO2の収支を測定した。(この件に関して、私はあまり関与していない。)がその後のこの研究会の進むべき方向性として「公共建築物の環境性能基準」なるものが出来、公共建築物を建てる時、環境にやさしい建物を心がけて建てるような世の中になっていったらいいだろうと私も願っており、件の森林組合連合会の皆様にもそう願っていると伝えた。

●写真は上から大日本報徳社大講堂内部、次はその概観と経済の門・道徳の門、一番下の写真は掛川城天守閣。